52:名無しNIPPER
2018/04/24(火) 22:02:48.13 ID:25rQ95o00
うまく、誘えるだろうか。
「ええ、私は元気ですよ……ほたるちゃんも元気そうで。いえ、ちょっと用事があって。そのですね――」
私は店名を確認するために、スクラッチカードを持ち上げた時だった。
強い風が吹いた。
身をすくめてしまうほどの、強い風。
目をつむり、止むのを待った。
やがて風は静まり、私はゆっくりと目を開ける。
スクラッチカードが、風にさらわれて指の隙間から滑りぬけていた。
私は風が奔り去った方に目を向けていたけど。
ふっと微笑んだ。
「理由はないです。ただ会いたくなったんです、ほたるちゃんに」
――鷹富士茄子「ほたるちゃんと一方通行共依存」《終》
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