4: ◆P4gW9oKees
2018/04/19(木) 00:35:52.51 ID:fXyxsV/i0
キーンコーンという鐘の音を後ろに、私は学校の校門を出ます。
最近ではありがたいことにアイドルのお仕事も増えてきて、こんな風に学校を早退してお仕事に行くことも少なくありません。
私は、この時に聞く鐘の音が、少し寂しくもありました。
それでも、アイドルのお仕事があるのはいいことです。
「よしっ」
私は気合いを入れ直すと、お仕事に向かうための一歩を強く踏み出しました。
「はーい、オッケー!」
「ありがとうございました」
今日は雑誌の写真撮影とインタビューのお仕事でした。
今ちょうど写真撮影が終わり、これからこのままインタビューです。
「ひとまずお疲れ、ほたる」
「プロデューサーさん」
どうやら他のお仕事が終わって駆けつけてくれたようです。
「ごめんな、迎えに行ってやれなくて」
「いいえ、大丈夫でしたよ」
「帰りは送るからさ」
「あの、はい。ありがとうございます」
と私が言うと、プロデューサーさんはクスっと笑いました。
「あの、なんでしょう?」
「いや、ほたるも変わったなって。前だったら『すみません』とか言ってただろうに。今ではすんなりお礼が言えるようになってさ」
そういえば、そうです。
以前の私ならきっと謝っていたことでしょう。
でも私はなんだか変われたような気もします。
ただひたすらに同じ毎日を繰り返していたあの時からは。
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