135: ◆PL.V193blo[sage saga]
2018/04/23(月) 22:10:59.82 ID:uqQOtxCi0
◇◇◇◇
「――――楓さんッ」
名を呼ばれると、温もりに包まれていた。
彼の肩が、私の顔を抱いている。
「びっくりしましたよ、急に泣き出すんですから」
少し隙間を作ると、困ったように笑う彼と目が合う。
親指が、私の涙をそっと拭う。
――――涙?
「あ、あれ……私、泣いて、ました……?」
思わず手で触れようとしたら、頬に何かが触れた。優しい感触。
貴方の、掌。
そしたら、血潮のような熱が、両眼から流れた。
あとから、あとから、溢れた。
彼の指は、それをすべて掬い上げてくれた。
感情よりも、早く。それで私の表情は、くしゃくしゃになってしまった。
滲んでいく景色の向こうで、彼は困ったように笑う。
163Res/145.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20