71:名無しNIPPER[saga]
2018/04/20(金) 22:44:18.52 ID:oAmRbez70
少しばかり逡巡してから、トモちゃんは話してくれた。
トモちゃん曰く、俺はこの歳になっても妹離れできていなくて、愛華が彼氏を作ったことにも過剰に反応して、愛華のことが好きで好きで堪らないってような兄貴らしい。
「まぁ、別に間違ってはないな」
「え……」
「でも、別に俺は愛華に恋人ができても何も言わないし、愛華は好きだけど、だからどうという訳でもない。
愛華は俺の妹で、きっとそれが全てなんだと思う。だから俺は何があっても、周りがどう思っても愛華を嫌いになったりしないし、愛華の側を離れることはない。ただそれだけのことだよ」
そう、きっとそれだけで、それが全部である。
「何があっても……、ですか?」
「そうだね」
「なるほど……、なんか理解できた気がします」
「それは光栄です」
納得したようなトモちゃん。
「お時間とっていただいて、ありがとうございました」
トモちゃんはぺこりと頭を下げた。
礼儀正しい子だ。
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