68:名無しNIPPER[saga]
2018/04/20(金) 22:40:07.72 ID:oAmRbez70
◯
ある日のこと。
その日は空が薄暗く曇って、どんよりとした天気であった。
午前中の授業が終わってからの昼休み、廊下を歩いているとトモちゃんとバッタリ出会った。
一応顔見知りなので、軽く目礼してから通り過ぎようとすると、トモちゃんに引き止められた。
「あの、少しお話しさせてもらっていいですか?」
「え?」
振り返って立ち止まると、トモちゃんは言うか言うまいかと迷ったような顔をしていた。
「お兄さんに、ひ、ひとつ、聞きたいんですけど。その、えっと……あぁ、ぅぅ」
キョロキョロと視線を彷徨わせて、唇を震わせる。
相当な葛藤が見て取れた。
そこまでして、何を俺言おうとしているのだろうか。
どうすればいいか分からない俺は、ただジッと待つことしかできない。
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