33:名無しNIPPER[saga]
2018/04/15(日) 12:10:57.92 ID:lvjMA85h0
男「僕は今日、死ぬ運命なんでしょ? 今更それをどうこうしようなんて思わないよ」
死神「なぜ? なぜ君はそうなってしまったんだ? なにが君を死にたがりにしてしまったんだ?」
男「例えば僕がここで『恋人が通り魔に殺されて生きる気力を失った』とか『小さなころからの夢が破れて生きる意味を亡くした』とか、そういうもっともらしいことを言えばいいのかな?」
男「残念ながらそういうドラマチックなものはどこにも無い。悲しいけど僕にはなにもない。なにもないからこうなったんだ。僕の人生に意味は最初から、そしてこれからも意味は無いと思ったんだ。そしてそんな意味が無い人生を自覚しながら生きていくのはどうしてもできないんだよ」
男「僕はどこまで行っても僕だ。そして僕はそんな僕がたまらなく嫌いなんだ。嫌いな奴とずっと生きていくなんて、耐えられないよ」
死神「……男」
男「だからね、死神ちゃん。僕は君と一緒にいることはやっぱりできないよ。だって僕は僕のことが嫌いだから。君と一緒にいることは楽しいけど、僕は僕が嫌いだから。嫌いな奴とこれからずっと一緒にいたくないからさ」
死神「……フラれちゃったね」
男「もう少し、僕が僕のことを好きになれたら君と一緒にいるのも良かったんだけどね」
死神「君の答えはわかったよ。スカウトはまた今度にするね」
男「今度?」
死神「要は君が君自身を好きになれればいいんだよね?」
男「それってどういう?」
ダァァァン!!
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