善子「今だけ私のことを」
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2:名無しNIPPER[saga]
2018/04/12(木) 19:08:59.28 ID:iaNBXfrL0
 だからこうして気を紛らわす。

 自分より下の相手と比べて、まるで自分が彼女にとって特別な存在であるような気分を得る。

 あくまでも、同じ部活の先輩後輩に過ぎないのに。

 そんな現実に引き戻されると、襲ってくる虚しさ。

 バカバカしい、本当に。


曜「よーしこちゃん、何やってんの」


 でもそんな気持ちなんて知らずに、あの人は私の懐に飛び込んでくる。

善子「曜さん……」

 気づかない内に、曜さんが乗車してくるバス停に到着していたのだろう

曜「それ、私の動画?」

 自然と私の横に座りながら、スマホの画面をのぞき込んでくる。

善子「えぇ、変なところがないかチェックしてたの」

 見られても別に動じることはない。

 口に出さない限り、私の心の中が覗き込まれることなんてあり得ないんだから。

曜「どこか気になるところあった?」

善子「いえ、私が見た限りでは大丈夫ね」

曜「ならよし!」

 満足そうにガッツポーズ。朝から元気いっぱいだ。



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