49: ◆eUYYCXmg66AS[saga]
2018/04/18(水) 21:07:44.84 ID:LPH6pU+so
8.―――――――――――――――――――
夜も更け、静寂が辺りを支配している。
春という季節はどこか優しく、私達を全て受け入れてくれるような雰囲気を持っている。
その雰囲気に誘われたのか、私はなでしこに向かって話を始めた。
「――あのさ、なでしこ。前にも話したかもしれないけど」
夕飯を終え、若干の眠気に襲われながらも私は言葉をつぶやいた。
心にも防波堤のようなものがあり、私のそれは人より高いつもりだ。
でもそれはたやすく上下し、今は間が悪い。
下がった心の防波堤を感情の波が越えていく。
何か、もう戻れないような、そんな予感がしていた。
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