3: ◆eUYYCXmg66AS[saga]
2018/04/11(水) 21:16:39.90 ID:SizuxmwLo
特に理由があるわけじゃない。
こんなにも心が澄んでいるのは。
もしかしたら、よく晴れていて富士山が綺麗に見えるからかもしれない。
以前自転車で来たときは息を切らせながら登ったものだ。
しかし今回は原付。坂道も余裕余裕。
――と、思ったけど。
――案外スピード出ないな。
キャンプ道具のせいか、エンジンの限界か、坂道を登る愛車は若干不機嫌だ。
「おい、もっと頑張れ」
話しかけてみるが当然返事はない。
車だったらもっと楽に登れるだろうし、空調も効いてるし、車中泊も出来るだろうし。
いずれは車の免許も取るかも。
「そしたらお前はお役御免だな」
気まぐれに愛車を優しく撫でてみる。
「冗談だよ」
返事は聞こえなかった。
「ま、これからも頼むよ。相棒」
スロットルを回すと、機嫌を取り戻したようなエンジン音を聞かせてくれた。
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