【俺ガイル】二人の一日-SS速報VIP

【俺ガイル】二人の一日

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43:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:36:49.11 ID:9PfklZJL0
　素直でよろしい。いつもこれだけ素直だったらいいのに。いや、それはそれでつまんないか。こういう性格の先輩がわたしは好きなわけだし――っと、そんな話は今はよくて、わたしも調理を続けないと。

　油を熱したフライパンにイカとむきエビを投入。しばらく炒めたら、溶き卵、それからご飯、最後に先輩が切ってくれたパプリカを入れてパラパラになるまで炒める。

　そして満を持して登場するのがこちら、日本の台所に欠かせないAJINOMOTO。この味の素の干し貝柱スープも、チャーハンの具材兼味付けにと購入したものだ。これと塩、醤油、胡椒で味を整えれば完成！　海鮮チャーハン！

以下略 AAS

44:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:37:57.08 ID:9PfklZJL0
「お疲れさまです」
「お前もな」

　うーん、いい！　いいですね！　二人でお料理いいですね！　なんかこうぐっとくるものがありますよ！　なんだかもうお腹いっぱいです！

以下略 AAS

45:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:38:29.31 ID:9PfklZJL0
「いただきます」

　いざ、実食！　まずはチャーハンから。スプーンで掬って一口目を口に運ぶ。ぱくっと食べてみると、想像より美味しいお味。

「なんかこの前より美味しくないです？」

以下略 AAS

46:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:39:01.16 ID:9PfklZJL0
「ですです。このサラダも美味しいです、やりましたね！　この前先輩に作ってもらったドレッシングがいい感じにマッチしてます」
「俺は言われた通りやっただけだ」

　またー、謙遜しちゃってー。必死に誤魔化しても照れてるのバレバレですよーだ。あー、しあわせー。

以下略 AAS

47:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:39:27.22 ID:9PfklZJL0
　毎回は流石に申し訳ないというか、わたしがご飯を作るのはいつもちょっぴり迷惑をかけてしまっていたり面倒な女の相手をしてもらっている感謝の気持ちもあるのでアレだけど、またそのうち手伝ってくれたらいいなぁ。

「ごちそーさまです」
「ご馳走さん」
「美味しかったですね」

以下略 AAS

48:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 22:39:53.14 ID:9PfklZJL0
「……おう」

　気恥ずかしいのか、頬が少し赤らんでいる。まったく、よく出来た彼氏さんです。流石わたしの先輩です。調子乗るから言わないけど。

「ではでは、わたしはちゃちゃっと片付けちゃいますので先輩は本でも読みながらくつろいでてください」

以下略 AAS

49:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 23:25:00.93 ID:9PfklZJL0
　待っててくれる人がいる。それだけで頑張れちゃうものだ。バカみたいだけど、バカでいい。そんなバカな毎日が、わたしにはとっても幸せなことだから。

　ふんふんと、鼻唄を歌いながら食器や調理器具を洗っていく。一通り終えてリビングに戻ると、先輩はすっとわたしが座る場所を作ってくれる。

　わたしは先輩の足と足の間に腰を下ろして、ふぅと息を吐いてから先輩に寄りかかる。至福。

以下略 AAS

50:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 23:25:43.14 ID:9PfklZJL0
　同じ気持ちなんだって想うことは、どこまでいっても確証が得られるわけではないけど。その不確かさこそを尊く思う。

　お互いがお互いのすべてを知り得ない。また、伝えきることも難しい。だから、人は人を信じるのだ。その穴を埋めるように、相手を信じるのだ。

　身勝手な信頼。それは決していいものではなくて、相手を縛りつける鎖になり得る。ただ、どちらも信頼されることを望み、どちらも信頼することを望むのなら、たとえその望みが知覚できなくとも、幸福を得ることが出来る。

以下略 AAS

51:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 23:26:16.00 ID:9PfklZJL0
　弱さだ。人の弱さで、辛くなりたくないばかりに相手に求める脆さ。拭っても消えることはなくて、隠しても滲み出てくる。人を信じるのは人の弱く脆い特性で??でも。

　でも、他の個体を信じるということが出来るのは人間だけで、だからそれはきっと、とても……とても、素敵なことなんだと、わたしはそう思いたい。

　背中から伝わるこの熱がきっとこの先もずっとわたしのそばにあるのだと、そう、信じたい。

以下略 AAS

52:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 23:26:54.57 ID:9PfklZJL0
　言いたくなった。ずっと言い続けていたいといつも感じている。わたしはこーんなに先輩のことが好きなんだって、全部伝わらなくても、少しだけでもいいから、伝わって欲しい。知って欲しい。わたしのこと。

　手を離して、くるりと身体を先輩の正面へと向けた。そのまま跨るように先輩の腰の辺りに座って、背中に手を回す。……温かい。

「……いちゃいちゃする約束です」

以下略 AAS

53:名無しNIPPER[saga]
2018/04/09(月) 23:27:35.59 ID:9PfklZJL0
　先輩の胸にぐりぐりと頭を押しつけながらそんなことをつぶやいた。あー、これあとでめっちゃ恥ずかしくなるやつだー。でもいーや。今はいっぱい恥ずかしいことがしたい。そういう気分なんだから、仕方ない。

　そろーっと上を向くと、いきなり唇を塞がれた。

「んむっ??」

以下略 AAS

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