13: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/10(火) 23:47:47.94 ID:LKu2ejSE0
●
「周子! ぼけっとしてんとちゃうよ!」
14: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/10(火) 23:49:26.71 ID:LKu2ejSE0
ベッドでごろりと寝返りを打って、両足ばたばた。
「いーやーやー。お見合いなんて……」
15: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/10(火) 23:50:31.26 ID:LKu2ejSE0
「ええー」
「ええとちゃう!」
16: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/10(火) 23:51:22.16 ID:LKu2ejSE0
「昼間っからごろごろしてないで、ちょっとは将来のことを考えなさい! 高校出たらあっという間よ、時間は待ってくれへんのよ!」
開いたときと同じ音を立てて、障子が閉まる。
17: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/10(火) 23:52:07.79 ID:LKu2ejSE0
「うええー……」
ばたりと布団に倒れ込む。
18: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/10(火) 23:52:56.10 ID:LKu2ejSE0
中に入っているのは、大人の履歴書。
いわゆる、釣書、という奴だ。
会ったこともない男の人の顔写真がついた紙が、1枚、2枚、3枚、4枚。
19: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/10(火) 23:53:40.07 ID:LKu2ejSE0
5枚目。
最後の1枚をじっと見る。
いつ撮影されたのかも覚えがない、和装の自分が微笑んでいる。
20: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/10(火) 23:54:32.35 ID:LKu2ejSE0
年齢、誕生日、身長。
体重は……もしかしたら少し増えてるかもしれない。
高校出てからこっち、家でごろごろしっぱなしだし。
21: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/10(火) 23:55:08.91 ID:LKu2ejSE0
こっそり書き足してしまおうかな。
献血、ダーツ……。
うーん、これだと貰い手がいなくなるかもしれないな。
22: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/11(水) 23:20:57.68 ID:NEUYJJ3j0
卒業式を終えて、体育館を出た直後に告白してきたバスケ部の伊藤くんの顔を思い出す。
イケメンだったなあ。
フっちゃったけど。
23: ◆vOwUmN9Rng[saga]
2018/04/11(水) 23:22:48.04 ID:NEUYJJ3j0
ファイルを放り出し、抱えた枕と向かい合う。
名前も知らない緑色のお饅頭みたいなキャラクタが描かれている。
ぶさいくだ。
82Res/29.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20