1: ◆xW69XHZIXl2A[sage]
2018/03/31(土) 22:22:25.60 ID:37cMZ7l60
それは、ウィズの胸をどうにか不幸の事故に見せかけて触ったりできないか? などと考えていたらすっかりお昼前になった日の事であった。
「カズマがこの時間まで起きてるなんて珍しいわね?」
のどが渇き台所で水を飲んでいた俺を物珍しそうにアクアが見てくる。
「ちょっと考え事があって眠れなかったんだ」
「ふーん」
そうだ。アクアがウィズをからかい、ウィズが死にかけている所でウィズを助けるふりをして胸を揉もう。
と俺が考えをまとめていると、めぐみんが自室からやってきて嬉しそうに微笑む。
「カズマ。おはようございます。今日は早いんですね」
「いや、今から寝る所」
「こ、この男は……」
おっと、さっきは天使みたいに微笑んでいたのに、蔑んで見てくるとか酷すぎだろ。
ったく、俺は遊んでいたわけではない。
俺達は魔王軍幹部を倒したカズマ一行なのだ。だから、いつ魔王軍から暗殺されてもおかしくない。
そのために身を張って警備をしていたというのに……。
「ったく、俺はだな−−−−」
俺が警備の必要性を訴えようとめぐみん達の方を向くと、俺の言い訳タイムを邪魔するかのように警報が鳴り響いた。
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2: ◆xW69XHZIXl2A[sage]
2018/03/31(土) 22:23:08.87 ID:37cMZ7l60
『花粉症警報! 花粉症警報! ただいまこの街に花粉症が近づいています! 街の住人の皆様は直ちに家の中に避難してください!」
「うっせえええ! 花粉症ごときで警報なんて鳴らすな! ったく明日ギルドに文句を言いに行こう」
3: ◆xW69XHZIXl2A[sage]
2018/03/31(土) 22:26:44.55 ID:37cMZ7l60
「もしかして、花粉症『ごとき』って言ったのに怒ってるのか? いや、その悪かったよ。俺は花粉症にかかった事がないからさ」
「そ、そうだったんですか。なるほど今までかかった事ないという事は、花粉症対策は完璧のようですね」
「ああ、俺くらいになると花粉症が避けていくぐらいさ」
4: ◆xW69XHZIXl2A[sage]
2018/03/31(土) 22:30:05.84 ID:37cMZ7l60
半分以上寝ていた頭をたたき起こしてめぐみんに聞く。
「な、なぁ、花粉症って、くしゃみとかのあれなんだよな?」
「はい。さっきも言いましたが、くしゃみとかのあれですよ?」
5: ◆xW69XHZIXl2A[sage]
2018/03/31(土) 22:32:09.73 ID:37cMZ7l60
「おい、アクア。どういうことだ?」
「えー、なにがー?」
「花粉症の事だよ」
6: ◆xW69XHZIXl2A[sage]
2018/03/31(土) 22:34:30.53 ID:37cMZ7l60
アクアが嬉しそうに目をキラキラさせたと思えば、急にドヤ顔になり。
「まったく仕方ないわねー。カズマは本当にこの国の事を知らないあんぽんたんなんだから。いいわ。教えてあげる。この国の花粉症はね」
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