[安価]男「旧い町の旧い家を相続した」[ホラー]
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2: ◆lLetEg34Vc[saga]
2018/03/29(木) 21:20:43.60 ID:xR0IOYiEO
「いらっしゃい、よく来たね」
駅員が俺に話しかける
他に降りた乗客はいない。
駅員の顔は青白く、不健康そうであったが対照的に不自然なくらいニンマリと笑っている
だがその笑顔はまるで貼り付けられたように動かない。仮面を被っているんじゃないかと思ってしまうほど不自然な笑顔
その駅員には不気味に思いながらも愛想笑いだけ返してホームを出る
駅から出ると唯一舗装された道は墓場を突っ切って延びていた
一歩、一歩踏み出す度に冷たい水に足を浸けるような悪寒が走り、もう三月だというのに不自然な寒気を覚える
墓石を侵食している雑草がざわざわと揺れ、足元では虫が蠢いているかのような気味悪さが犇めいている
ようやく墓場を抜け、大通りに出るとうっすらとした霧の中を幽鬼のようにゆらゆらと歩く人影が見える
そんな人々に訪ねる気にはなれず、地図を見ながら自分が住むことになる家を探す
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