250: ◆DAKIMApJGg[saga sage]
2018/07/30(月) 00:07:50.27 ID:p1Hdo0too
あれはまだ小学校にすら上がっていない頃の話
お祖父様主催のパーティに多くの方々が家族で参加していましたの
もちろん純粋なパーティだけが目的な人もゼロではないでしょうがある意味不純な思惑もありましたの
「ぼく、おおきくなったらとうかちゃんとけっこんしたいな!」
親に仕込まれた言葉を九官鳥のごとく繰り返すだけの子供達
少なくともその言葉に純粋な想いだけではないのは薄々とは気づいていましたの
ですが、京太郎だけは違っていたんですの
「なにをしていらっしゃるんですの?」
「みてわかんねえの?きのぼりだよ、きのぼり」
「それはたのしいんですの?」
「もちろん!」
そう答える男の子はとても誇らしげでしたわ
「やったことねえの?」
「ええ、あぶないことはやらないようにいわれてまして」
「ふーん、つまんねえの」
「つまらない……ですか?」
「だってこんなたのしそうなことがあるのにできないなんてつまんねえじゃん」
「わたしもきのぼりできるんですの……?」
「もちろん!」
「わたし……やってみたいですわ」
今思えばあれがはじめて自分のやりたいことをやりたいと言った経験ですわね
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