12: ◆cgcCmk1QIM[sage saga]
2018/03/24(土) 20:23:46.54 ID:bU2BHSY40
「―――ごめんなさい!!」
私の口から、ずっとずっと言えなかったことが吹き出しました。
13: ◆cgcCmk1QIM[sage saga]
2018/03/24(土) 20:24:13.71 ID:bU2BHSY40
黙っているなら、最後まで黙っていればよかったのかも知れません。
だけど、もう我慢できなかった。
14: ◆cgcCmk1QIM[sage saga]
2018/03/24(土) 20:24:58.33 ID:bU2BHSY40
「うん、知ってたよ」
Pさんはいつものように、ちょっと困ったように笑って―――そう言ったのです。
15: ◆cgcCmk1QIM[sage saga]
2018/03/24(土) 20:25:27.46 ID:bU2BHSY40
「―――君のエントリー用紙が来たとき、親御さんにも連絡をしたんだよ。そのとき、君の事を聞いた」
穏やかに、Pさんが語りはじめます。
「不幸のこと。親御さんが君をとても心配していて―――だからこそ、アイドルになることには反対していた、ということも」
16: ◆cgcCmk1QIM[sage saga]
2018/03/24(土) 20:26:07.95 ID:bU2BHSY40
「皆同じだと、思ったから」
年少の、そばかすの子が笑いました。
「ここの子はね、みんな同じなのよ。『不幸』じゃないけど、才能とか、ルックスとか、お金とか。 色々理由はバラバラだけど―――みんな、アイドルになるの、反対されてた子なんだよ」
17: ◆cgcCmk1QIM[sage saga]
2018/03/24(土) 20:26:34.18 ID:bU2BHSY40
「僕たちは、解っていて、満場一致で君を迎えた。大人たちは、絶対なんとかしようと思って頑張った」
Pさんが、胸を張ります。
18: ◆cgcCmk1QIM[sage saga]
2018/03/24(土) 20:27:22.40 ID:bU2BHSY40
そう、なのでしょうか。
この苦しみに、この重さに負けずに、進んでいけば。
19: ◆cgcCmk1QIM[sage saga]
2018/03/24(土) 20:27:54.60 ID:bU2BHSY40
―――そして、あの事務所は閉鎖されて、私達はちりぢりになりました。
連絡が取れる子も、取れない子もいます。
20: ◆cgcCmk1QIM[sage saga]
2018/03/24(土) 20:28:41.27 ID:bU2BHSY40
読んでいただいて、ありがとうございました。
21:名無しNIPPER[sage]
2018/03/24(土) 21:21:09.47 ID:VNfmkzZ90
おつー
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