アナスタシア&一ノ瀬志希「はるのうた」
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69: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/29(木) 00:33:39.13 ID:UdBPP3xP0

「……シキ?」

 ならば、あたしという存在がこの子にどう作用するのか。

「いっこだけ聞かせて」

 まだ論理の筋道が立たない。
 今の自分はホワイトボードいっぱいの膨大な計算式を俯瞰する時の眼をしている。
 状況を解決し、彼女にかかる靄を払う為の閃きを細胞が求めている。

「キミは、自分のことも好きになりたいと思う?」

 アーニャちゃんはしばらく、大きな目であたしのことを凝視していた。
 それから、ゆっくり頷いた。

 頷いたまま、弱々しく肩を震わせた。



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