11: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/03/23(金) 01:01:07.19 ID:afcOeBV+0
天気が天気だからここに来るまでにも一苦労だった。
寒さに身を縮めながら、一度は仕舞った筈の一番分厚いコートを動員してまでやっと辿り着く。
「そいえばキミんちってどんなだったっけ」
「普通に賃貸アパートだよ悪かったな」
「それならウチ来る〜? 部屋なら余ってるしー、キミだったら大歓迎だよー♡」
まさに悪魔の囁きだが、いくら快適だろうと一ノ瀬博士の巣で無防備に寝泊まりできるほどの胆力は無い。
……ということを伝えると、家主は「やだにゃ〜なんにもしないよ〜」と朗らかに笑った。明後日の方向を見ながら。
「……で、ここに秘密が?」
「うん」
観音開きの電動門扉をリモコンで開き、志希はいたずらっぽい笑みを見せた。
「びっくりしないでね。してもいいけど」
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