45:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 01:05:19.37 ID:EAF0Yir90
「あなたは貞子さんと随分親しかったみたいですが彼女はどんな人だったのでしょうか?」
「大人しいけど優しい子でしたよ。あの出来事が起きるまではね…」
それから女将は酷く思いつめた顔をしながらあることを語り始めた。
それは57年前に起きた三原山大噴火についてだ。
「その日、貞ちゃんは島のみんなにこんなことを訴えたの。」
『もうすぐ三原山が大噴火を起こす。それで大勢の人たちが死ぬ。』
それは突拍子もない話しだった。
当時、三原山は噴火の予兆すらなく
さらに志津子の公開実験でインチキ騒動があったばかりなので
誰もがそんな志津子の娘である貞子の言葉に耳を貸さなかった。
「当然よね。あの時はほとんどの人たちが信じなかった。」
「だっていつもと変わらない平穏な一日だったもの。」
「だから貞ちゃんの言葉を受け入れた人は少なかった。」
しかし島の人たちの予想を裏切り三原山は大噴火を起こした。
貞子の予言通り島は大混乱。
誰も彼もが安全な避難場所を求めて島を彷徨ったという。
「一番の被害を出したのが島の南側に位置するこの差木地村。
この辺りに噴火で発生した毒性のガスが流れ出したの。ガスを吸った人たちは瞬く間に…」
女将は駐在所に張られてある当時の写真を見ながらそう語った。
その写真を見ながら切なげな表情を浮かべる女将。
どうやらここに飾られている写真はその当時のモノとのこと。
それから女将は写真と同じくこの駐在所に置かれているあるモノを右京たちに見せた。
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