232:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 15:06:48.12 ID:EAF0Yir90
それがこの45年間隠されてきた真実だった。
この真実を告げられて女将は何も言わず俯いたままだ。
恐らく気が動転して何も言えないのだろう。
そんな女将を庇うように主人が右京の推理にこう反論した。
「ま…待ってください!
確かに私たちは45年前に劇団飛翔のスタッフでした…
だからといってそんな…入れ替わるなんて…証拠はあるんですか!?」
「証拠ならあります。こちらの内村部長です。」
かつて内村は劇団飛翔でアルバイトを行っていた。
その時に貞子を目撃していた経緯がある。
それは先ほどの反応からして
45年経った今でも彼女の顔を覚えているほど印象に残っていた。
「内村部長は45年前に学生アルバイトで飛翔に出入ってました。
内村部長、お尋ねしますがこの女将が山村貞子で間違いありませんね。」
「ああ、間違いない。
あれから45年過ぎたが彼女の顔は忘れたくても忘れられんよ。
女将さん、アンタは間違いなく山村貞子だ。」
それはまさかの誤算だった。
45年前の関係者など既に自分たち以外この世には存在していないと思っていたはず。
しかし過去というものはどんなに隠そうとどこからか綻びが生じる。
最早この真実は隠すことなど出来ない。
そう思った女将はご主人の静止を振り切り、右京たちの前でその正体を明かした。
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