230:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 14:55:49.75 ID:EAF0Yir90
「その理由は入れ替わる側になんらかの特殊な事情があったからだと考えられます。
そしてその理由とは何か?
ここで注目すべきが45年前に劇団員たちが失踪する前に起きた公演での出来事です。」
「45年前、舞台の公演で人が死んだ。
それから劇団員たちは伊豆の旧伊熊邸に乗り込み悪意ある貞子を殺害しようとした。
問題はこの前後です。
もう一人の公演を行っていた善意の貞子はどうだったのでしょうか?
以前から疑惑のあった貞子のせいで公演中に人が死んだ。
その様を見て劇団員たちはどのような行動に出たのか。
ひょっとしたら貞子は劇団員たちに襲われたのではありませんか?」
それは考えられる可能性だった。
45年前、公演中の悲劇から旧伊熊邸に乗り込むまでの間は
当事者たちにしか何が起きたのかわからない空白の時間があった。
その間に何が行われたのか?
恐らく善意の貞子は劇団員たちから逆襲を受けた可能性が高い。
しかし劇団員たちはその逆襲を終えても怒りが収まらなかった。
だからこそ逆襲を終えた直後に旧伊熊邸に乗り込み悪意の貞子を殺害しようとした。
だが結局は返り討ちに遭い全員が死亡するという結果に終わってしまった。
「お言葉ですが…それがどう関係するんですか…?」
「ここで当時の貞子の人間関係を取り上げてみましょう。
45年前、貞子に関わった人間が様々な思いを巡らせていました。
劇団員たちは立て続けに怒る不可解な死について彼女を疑った。
宮地翔子は婚約者を殺された恨みを晴らそうと貞子の殺害を企てていた。
つまりあの当時、殆どの人間が貞子に悪意を抱いていたことになります。」
「ですがそんな中で唯一人、貞子を守ろうとした人間がいた。
それが当時の劇団で貞子を庇っていた遠山博さん。あなたですね。」
この旅館の主である遠山の前で貞子を庇っていたのでは推理する右京。
しかしその事実が一体何を意味するのか?
「それではここで当時の出来事を整理しましょう。
45年前、貞子はもうひとつの半身が尽く相手を殺害したことによりその命を狙われていた。
この先も誰かに命を狙われ続けなければならないのか?
そんな不安に駆られた時、ある行動に出たのではありませんか。」
「それじゃあ…この人はまさか…」
「そうか…だから僕たちはこの人に見覚えがあるのか!」
「俺なんか二度も会ったしな!」
右京の推理にカイト、神戸、亀山の三人もまたこの事件の真相にたどり着いた。
そう、答えは既に彼らの目の前にあった。
そして右京はある人物の前でこの45年間隠されていたある真実を告げた。
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