220:名無しNIPPER[saga]
2018/03/21(水) 14:29:57.46 ID:EAF0Yir90
「果たして彼は本当に山村貞子の父親だったのでしょうか。」
「どういうことですか?」
「そもそもあのような異能の力を持った山村貞子の父親が
何の力も持たない伊熊平八郎だというのが僕には不自然に思えてなりません。
貞子の父親は別にいると考えるべきだと思いますよ。」
「お言葉ですが…
それは貞子や父親の伊熊が死んだ今となっては誰にもわからないことでは…」
「いえ、恐らくですが山村貞子は薄々気付いていたはずですよ。
その証拠に彼女はずっと山村姓を名乗っていました。
彼女は母親の死亡後、伊熊平八郎に引き取られています。
それなのに伊熊姓を名乗らず山村姓を名乗っていたことを考えれば
本当の父親が伊熊平八郎ではないことをわかっていたのかもしれません。」
伊熊平八郎が貞子の実の父親ではない。
もしその考えが正しいのなら…
貞子の本当の父親は一体誰なのか?
そんな疑問を抱いた時、右京は現場に近い海を眺めながらこう呟いた。
「しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。」
「それって…呪いのビデオのメッセージですよね。それがどうしたんですか?」
「意味は『水遊びばかりしていると、お化けがくるぞ。』ですが…
僕は最初この言葉に何の意味も無いのかと思っていました。
けれどもしこれが意味のある言葉だとしたら…
貞子の本当の父親は恐らく…海の魔物かもしれませんね…」
海の魔物…それこそが貞子の本当の父親なのだと…
確かに海は昔から人を誘う場所だ。
そしてそれは決まって海に巣食う魔物だと伝えられている。
もしもその話しが真実だとしたら…貞子とは…
右京とカイト、それに亀山と神戸は
荒れ狂う海を眺めながらこの一連の不気味な事件に幕を閉じようとした。
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