9: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:45:53.30 ID:TwK3jZfv0
エリカ「近づかないで!」
みほ「辛いよね。周りから比べられるのも、自分で比べちゃうのも。……勝てるわけないのにね。」
みほは無視して近づくと、両手でエリカの頬を包む。
10: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:47:14.06 ID:TwK3jZfv0
みほ「大丈夫だよ。私はエリカさんが凄い人だってこと、ちゃんと知ってるよ。」
今度はエリカを抱きしめる。
その体が震えていることに気がつくと、みほは目を細めて優しく頭をなでた。
11: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:48:34.63 ID:TwK3jZfv0
みほ「いいんだよ、我慢しなくて。今は私しかいないから。」
みほの言葉を皮切りにエリカは声を押し殺して泣いた。
くやしさ、恥ずかしさ、情けなさ、それを悟られないように泣いた。
ただみほだけがその胸で全てを受け止めていた。
12: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:51:20.13 ID:TwK3jZfv0
エリカ「……ありがとう。」
しばらく泣いて落ち着いたエリカが礼の言葉を口にする。
みほ「もう大丈夫?」
13: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:53:25.80 ID:TwK3jZfv0
エリカ「……教えてもらえる?あなたはどうやってこれを乗り越えたの?」
みほ「……私はね、乗り越えられなかった。お姉ちゃんが庇ってくれてたから戦車道はやめなかったけど、それでも色んなことから逃げたよ。」
エリカはまだみほの胸を借りていたが、それでもその表情が曇ったことがわかった。
14: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:54:49.75 ID:TwK3jZfv0
エリカ「……ごめんなさい。」
みほ「ううん、エリカさんには嫌われて当然のことをしたと思ってる。私こそ逃げ出して、ごめんなさい。」
エリカ「確かに嫌いだったわ。西住を名乗っておいて西住流とはほど遠いあなたが。それでも隊長に認められて副隊長になったあなたが。」
15: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:56:00.96 ID:TwK3jZfv0
エリカ「でもねみほ、同時にあなたが好きだった。尊敬してた。自分でもよくわからないけれど、それでも好きだってことはわかってた。」
みほ「エリカさん……。」
エリカは顔を上げるとみほを見つめた。
16: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 21:58:26.88 ID:TwK3jZfv0
エリカ「だから次は私があなたを支えてあげる。逃げ道になってあげる。辛いことに立ち向かえるように。」
みほ「うん。……嬉しいな。私もね、エリカさんのこと、好きだよ。強くてまっすぐで……憧れてた。」
エリカ「幻滅した?」
17: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 22:00:28.57 ID:TwK3jZfv0
エリカ「みほ……。」
みほ「エリカさん……。」
見つめ合う2人、どちらからともなく唇が近づき、目を閉じる。
18: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 22:06:55.79 ID:TwK3jZfv0
小梅「隊長、お取り込み中すみません!」
突然の小梅の声に2人は驚き、パッと離れる。
真っ赤になって慌てるみほを見て冷静さを多少取り戻したエリカが上ずった声で答える。
19: ◆saI1ZNzQKuJn[sage saga]
2018/03/18(日) 22:09:13.97 ID:TwK3jZfv0
エリカ「わかったわ。すぐに準備する。」
小梅「お願いします!みほさん、人が来る前に行きましょう。」
みほ「は、はいぃ!」
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