小日向「先輩! 今日はいっしょに帰りませんか?」【お散歩M@STER】
1- 20
20: ◆p//0egHBTakZ[saga]
2018/03/29(木) 23:41:56.55 ID:4RoPH3Bs0
≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫≪≫


「さて、と。僕たちは東軍?だから、東回りで歩いて行こうと思うけど、最初はどこを目指そうか。もちろん適当に歩いてもいいし」

校門を出れば、そこは既に天下分け目の関ケ原……もとい我らが美城の街並だ。
城下町由来の大通り沿いに歩けば手っ取り早いし、めぼしいものはたいてい揃っている。
でも、せっかく散歩をするなら、よく見慣れた街がまるで見知らぬ土地に見えるような、そんな裏道を通っていくのも悪くない。

「小日向さんは何か案があったりする?」

「え、えっとぉ……ごめんなさいっ、私、家が反対側だから、あんまり東の方に行ったことがなくて」

「オッケー。じゃあ、いろいろ開拓しないとね」

ふむ。街の東側と言えば、何があったかな。商店街に、植物園……

「今日はけっこう暖かいですし、並木の日陰をたどっていってもよさそうですね」

高森さんの首にかかったデジカメのレンズがキラリと光る。
確かに今日は少しばかり日差しに容赦がない。

「なるほど、新緑の木洩れ日散歩っていうのもいいかな」

「それならわたくしは、あっちの道がいいと思いますねー」

ライラさんが褐色の指で示したのは、信号を渡った先で車道から小さく枝分かれしている砂利道。
確かに背の低い並木があって、風が涼しそうだ。

「ライラさん、何かアイデアがあるの?」

「あの道はお寺につながって、公園になってるのでございますよ」

お寺、っていうとその方向なら道命寺のことかな。
あの砂利道から行けるのは知らなかった。

「週末になると、かき氷屋さんが来てるのでございますです」

綺麗な碧色の瞳がいつもよりキラキラしているのを見れば、その先は言わずもがな、か。

「かき氷ですかぁ、いいですね! 私も冷たいものが食べたいな、って思ってたんです。
……あれ? でも、ライラちゃん、さっきアイスは一日三つまでって言ってたけど、さっそく食べちゃってもいいの?」

「アイスは一日三本までですけど、かき氷は……別腹?でございますねー」

「あははは、ずいぶん便利な日本語を覚えたね。じゃあ、まずはかき氷屋さんを目指そうか」

「P殿、ありがとうございますでございます」

「どういたしまして。でも、別腹でも食べすぎるのはよくないよ?」

「ライラさん、気を付けますですよー」

横断歩道の信号が青になると、ライラさんが先頭を切ってすたすた歩いて行く。
水を得た魚……氷を得たライラさん?に率いられた我らが東軍の初陣は、腹ごしらえから始まりそうだ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
26Res/30.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice