6: ◆3I/q9VviEw[saga]
2018/03/13(火) 22:05:03.27 ID:i/zTLECjo
「まだ痛い?」
俺がいつまでも座り込んでいるからか、泉はずいぶん申し訳なさそうにそう聞いた。
「え?ああもう全然平気。気にしなくていいよ」
「そう、なら、よかった」
む、まだ少し心配そうだな。
「嘘じゃないぞ。俺はそんなに気遣いできない」
「そうだよね、安心した」
「そこは否定してくれてもよかったんだけどな」
ともあれ、泉の顔は晴れた…いや、さっきより近いが、やはりよく見えない。
「あ、そろそろメガネ返して」
「もう少しいいじゃない」
「よくない」
「どうして?」
「泉の顔がよく見えない」
「ふふっ、そう。じゃあ…」
「!」
「こうしたら、よく見える?」
もし俺がかけていたら、メガネどうしがカチッとぶつかりそうな。そんな距離に、泉が…
「なんてね。P、顔真っ赤」
してやられた、としか言いようがない。
だが、やられっぱなしは好きじゃない性分だ。返してもらったメガネをかけながら、声をかける。
「泉」
「なに?」
「近くで、よく見えたよ。かわいいかわいい泉の顔が」
ほんのり赤らんだ泉の頬も、今度はよく見えた。
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