【安価】機巧種―カラクリ―が主流となる世界で生きる。
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87:名無しNIPPER[saga]
2018/03/12(月) 22:03:35.74 ID:9JUpgvsp0


「修理屋及びオーダーメイドを取り扱う、女性人型専用機巧種技巧師、名は煌だ」
「機巧種の機体容器の変更は勿論、手前のポケットに入れてるその手袋も直せる」
「でも、修理って高いんすよね」
「あぁ、下手したら購入した値段以上の修理費が掛かる事もある」
「俺はその筋では人気だからな、乞食が集れば金目の物を奪って行きやがる」
「だがお前は、そんな事はせず、それどころか俺をこの場所へと連れて来やがった。その男気は気に入った。餓鬼は嫌いだがな」
「だが、仁義には仁義で返さなくちゃならねぇ。テメエへの礼はその手袋をその機巧種専用の弦に改良してやるよ」
「無論、無料だ」
助けた礼に、【軍式操糸篭手】が使用できるようになった。
「それで、お前への礼は終わりだ。んで、お前さん。雫と言ったか、お前の乗り心地は良かった。その礼だ」
近場に置いてあるカタログをテーブルの上に置く。
ページをめくると、その全てが人型機巧種の機体容器だった。
「「」型の機巧種は獣・人・鎧の三つの変型を揃えた型式だ」
「変型したらその分の消費量が喰らうが、その通常状態だと消費量よりも充電量が上回っている事が利点だ」
「今はまだ初期型だが、俺の手に掛かればお前に人型の機能を与えてやれる。そうすると、お前の戦闘機能が未発達から解放されるんだ」
まじまじと、雫は機巧種のカタログを見ていた。
「―――これ、私になるんですか？」
「ああ、俺なら作り直せる」
「………でもおっちゃん、なんでこんな優しくしてくれんの？」
「優しくしてる訳じゃねぇ、お前の宝の持ち腐れに勿体なく感じてんだよ」
「……俺は技巧師だ。本当ならテメエをぶんなぐってでもこの機巧種を手に入れて好きに弄り回してぇ」
「だが、覚醒型の機巧種は一度登録した主人から変わる事はねぇ。自らの意志で、コイツが良いと決めてるからな」
「機巧種、お前さん。もしこの小僧が売ると言っていたら、登録は解除したろ？」
「―――はい。それが私のご主人、その望みであるならば」
「だが、コイツはそうしなかった。つまりは相思相愛って奴だ」
「俺は乞食も餓鬼もお偉いさんも機巧種を道具として見る奴も全てが嫌いだ。だが、一途な人間なら、その気概だけは買ってやる」
「羨ましいぜ。こんな上等な機巧種、俺が連れ回したかった」
そう呟くと、一瞬の間が転じた。
その雰囲気を塗り替える様に、わざと煌は大きく声を荒げた。
「……さあ！！決めろよ機巧種。お前の好きな姿に、俺が変えてやるぜ」
そして、雫は小さなアームハンドで三つの姿を記した。

容姿安価↓1〜3

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