「私は同級生の乙倉悠貴に厄介な感情を抱いてしまった」
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4:名無しNIPPER[sage]
2018/03/11(日) 23:53:37.07 ID:whiyQo92o


 私が悠貴と仲良くなったきっかけなんてものは、ただ転校してきた彼女が指定された隣の席に私がいただけという、ともすれば運命とも言えなくもないが、しかしその実は単なる偶然で片付けてしまうほうがわかりやすい理由だった。
 誰に対しても分け隔てなく気さくで明るい女の子の役割を演じていた私は、当然のようにクラスでもいわゆる勝ち組グループに所属をしていたし、学内カーストにおいてもやはり上層部にいた。
 だから新たに同級生となる悠貴に話し掛けたのは、打算でしかなかった。
 誰からの人目も引くほどの綺麗な顔をしたあの子を私の友人とすれば、間違いなくカーストにおける順位は不動のものになる──そんなくだらない理由だ。

 まったく、かくも女子学生という生き物は息苦しい世界で生きているものだと思うけれど、とは言えこれがこの掃き溜めのように狭く閉ざされた世界で、怪我なく生きていくための処世術であるということを、私たちは幼き頃から教えられて生きてきたのだから仕方ない。



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