【オリ】「君は、自分が壊れてしまうほど人を好きになった事があるかい?」
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34:名無しNIPPER[sage]
2018/03/09(金) 12:40:53.17 ID:uzy05gP60
十数年後
俺は施設を出ていた。
あの後、俺こそが強姦魔だったのだと何度言われても、俺には意味が解らなかった。
だが、いつまでその問答を続けていても、解放してはくれない。
彼らを納得させるためにも、解ったフリをした。
妄想を現実に落とし込むのは、幸いにも得意だったから、すぐに迫真の演技が出来たと思う。
だが、そんな生活が何年も続き、最早俺にはどれが妄想で、どこまでが俺の創作だったのか、区別がつかなくなっていた。
警察が示す客観的事実と言う奴は、どうにも俺には実感が湧かない。
結局、俺は俺がおかしくなっていた事に気付くのに、これだけ長い年月をかけてしまったのだ。
無事に社会復帰を果たしたとはいえ、過去を正直に言えば雇って貰えず、かと言って隠した所で職歴無しではやはり雇って貰えなかった。
仕方がなく、勉強だけは相変わらず自信があったので、塾講のバイトを始めた。
勿論、過去を隠して、だ。
そこで俺はある生徒と出会った。
懐かしい苗字。懐かしい面影。そして何処か俺に似た雰囲気。
俺は彼を自分のデスクに呼び付けた。

「君は、自分が壊れてしまうほど人を好きになった事があるかい?」

fin


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