11:亜人好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2018/03/09(金) 15:51:44.52 ID:GJ/1N4KX0
それからというもの俺は勉学のみならず運動、社交界でのマナーなど全てを叩きこまれた。
時には鞭で叩かれることもあった。まるで犬を躾けるかのように。
それでもあそこよりはマシだった。食事は出るし、何も気にせず勉強ができる。
他者にとっては地獄かもしれないが俺にとっては天国だった。
少年「ふぅ……こんなもんかな」
ろう石より簡単に、細かな字が書ける鉛筆という道具を置く。上等な紙には今日勉強したことが纏められてあった。
コンコン
ドアがノックされる。返事をする前に間髪入れずドアが開けられた。
「起きてるかしら。駄犬」
起きているも何も時刻は昼。吸血鬼にとっては深夜に等しいが俺は人間であって昼の起きていることが普通だ。
入ってきたのはベーラと同じく白髪赤目の少女。ベーラの妹のミレイア・ロードだった。
吸血鬼であるが学園と呼ばれる勉強を学ぶ施設に通っているらしく昼型の生活を送っている。
しかしどうも辛いらしく目の下にはひどいクマが見える。
少年「どう、しました。ミレイア、さま」
敬語にはまだ慣れない。目の前の少女が幼く見えるのもあるだろうが。
ミレイア「良い報せともっと良い報せを持ってきてあげたわ」
したり顔で俺を見るミレイア。こういった顔をしている時のミレイアは面倒事を持って来る時だ。
また何か面倒事をと思っているとどうやら顔にでていたらしく酷く頬を叩かれた。
ミレイア「良い報せはあんたも学園に通えることが決まったわ!」
少年「………それは、どういう」
ミレイア「そのまんまよ。お兄様があんたを学園に通わせることにしたの」
それは本当に良い報せだ。より良い環境がもらえるのなら望むことは他にない。
ミレイア「もっと良い報せはね」
ミレイアは大きく息を吸い込んで勿体ぶりながら言った。
ミレイア「あんたがこのミレイアちゃんの義弟になれるってことよ!」
絶句だった。
理解できずに口を開けて呆けているとミレイアはそれを感激のあまりに言葉もないのであると思ったらしく満足そうに息を吐いた。
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