「問おうあんたが俺のマスターか?」「衛宮くん?」
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16:名無しNIPPER
2018/03/07(水) 21:14:07.95 ID:Vp4MSc/l0
激しい爆発が起こる。
ランサーの宝具とアーチャーの盾、の衝突の結果を見るためだ。
数秒後その場に立っていたのは無傷のアーチャーだけだった。
「嘘!?何で。」
宝具を置いたまま逃げるなんてよほどのことがない限りありえない。
「ッ!まさか!!」
「え?アーチャー!!」
突然アーチャーは学校の中へ入っていった。
ランサーの宝具を持ち、全力で後を追う。
走っている途中でランサーの宝具ガスポリのひとりでに動いた。
この方向を辿ればランサーの元にたどり着けるだろう。
数秒後私が見た光景は驚くべきものだった。
先ほどよりボロボロの状態で逃げるランサー。
血は流していないのに倒れ込んで動かないアーチャーそして血まみれのーーー
嘘でしょ?
衛宮士郎の姿だった。
「凛....」
驚きで動けない私に声をかけたのはいまにも死にそうな顔のアーチャーだった。
「どうしたの!?アーチャー!!」
「世界からの修正の力だろう。このままだと俺も衛宮士郎も死んでしまう。」
「そんな、、、、」
「令呪を使ってくれ、それでこの問題は解決する。」
「え?」
意味が分からなかった。
そんなことをして何になるのだ。
「私の意識を衛宮士郎に憑依させてもらう。それでひとまず修正は働かなくなるだろう。」
「ッ!それは...」
「そんな事をすればアーチャーはともかくこの世界の衛宮士郎は死んだも同然なのではないか?と思っているのかね?」
「.....」
「心配ない。憑依すれば衛宮士郎の意識が一時的に眠るだけだ。私の身体能力は私の霊基と繋ぐことと憑依経験で変わらなくなるし、衛宮士郎の意識は2度目の令呪時に戻せばいい。」
「....分かったわ。令呪に命ずる。アーチャー、衛宮君の意識に憑依して。」
「了解した。」
「ッ!」
令呪の場所に一瞬焼けるような痛みがする。
アーチャーの体は消え、魔翌力を持った魂へと変わり衛宮士郎の中に溶け込んだ。
「遠坂」
数秒後、アーチャーは衛宮士郎の意識に憑依できたのか何事もないように意識が戻った。
と思った瞬間また倒れ込んだ。
「アーチャー!」
「ぐっ!心臓をランサーにやられていたからな。すまないが回復してくれないか?このままだと長く持たない。」
「そうだ!このペンダントで。」
赤いペンダントの魔翌力はほとんど無くなりその代わり衛宮士郎の傷は完全に治っていた。
「ありがとう、遠坂。俺はもう大丈夫だ。」
「良かった、さあ今日は帰りましょう。身体能力の方はどう?」
「今霊基に繋いだから後は憑依経験で自分のものにするだけだな。すまない遠坂、魔翌力使うぞ。」
「ッ!」
膨大な魔翌力が抜けていくのが分かる。
当然だろう。
ただの常人が英例の力を自分のものにするのだ、そんな事は同一人物だから出来る訳だが、それでもかなりの量が必要だった。
「良し、これで身体能力は問題ないぞ。すまなかったな。」
「別にいいわよ。って、きゃあ!」
急に腕を私の腰に回して抱き上げてきた。
「疲れたろ?これぐらいはするよ。」
何だか憑依したせいかサーヴァントの時より鈍感になった気がする。
腹が立つ。それでも
「ありがとう...」
お礼は言いたい。
「どういたしまして。」
絶対今顔が赤くなってるのでそっぽを向く。
ダン!と跳躍しいくつもの家を超えて1っ分も経たないうちに家に着いた。
アーチャーとお茶を飲みながら今後の作戦を練り終え寝ようと寝室に行こうとしたその時
「遠坂!危ない!!」
「え?」
金属と骨がぶつかる音。
そして衝撃波によって吹き飛ばされる。
目の前で起きていたのは、先ほど撃墜し令呪でも使われたのか傷が全て治っているランサーとアーチャーが向き合っているという事態だった。
無言で先ほどよりやや乱暴に抱き上げ窓ガラスを割り外へ逃げるアーチャー。
当然後ろからはランサーが来ている。
全回復しているランサーの足と憑依経験で身体能力を手にしたとはいえまだ完全ではないアーチャー。
何方が勝つといえば若干ランサーが早かった。
槍の攻撃は防いだものの突然の蹴りに対処できずに、私を庇いながら吹き飛ばされるアーチャー。
吹き飛ばされつつも、宝石をいくつも使い一時的にランサーを止め魔翌力を全開に使い逃げる。
着いた場所は屋敷、その中の倉に入っていた。
ランサーはもうすぐそばまで来ている、万事休すかと覚悟を決めるが、アーチャーはまだ諦めずに黄金の剣を作り出し、地面に突き刺した。
「頼む!来てくれ、セイバー!!!」
剣の周りに何かの模様が浮かび上がり、アーチャーの手には令呪ができた。
「問おう。貴方が私のマスターか?」
出てきたのは鎧をまとった少女、再び剣と鞘が出会った瞬間であった。
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