「問おうあんたが俺のマスターか?」「衛宮くん?」
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14:名無しNIPPER
2018/03/07(水) 20:16:42.14 ID:Vp4MSc/l0
数日後
街やいろいろなところを見て回ったが特に得られるものはなかった。
今は人が誰もいない夜に学校を見ているところだ。
「ねえ、アーチャー、この聖杯戦争の記憶ってどれくらい残ってる?」
「そうだな、ずいぶん昔のことだ、細かいことは覚えてないな。」
「そうよね。今日の起こることは予測できる?」
「凛、俺がここにいる時点で、この世界の聖杯戦争と俺が経験した聖杯戦争はほぼ別物だ。...だが、今夜に関してはボボ変わらないらしい。」
「え?それってどうゆう?」
「そこにいるんだろ?ランサー」
アーチャーが誰もいない空間に視線を浴びせると槍を持ったランサーと思える者が出てきた。
周囲の空間がビリビリと揺れるような重圧感。
これが、英霊の気圧。
しばし無言で見つめあっているとしびれを切らしたのかランサーが提案をしてきた。
「こんなところでやり合うってのも気に合わねえ。広いとこに行こうぜ。」
ダン、と跳躍しランサーは校庭に降りた。
その目は完全に私たちを捉えていて逃げてもすぐに追いかけることを意味していた。
逃げることも一つの手だが、ここは戦闘することを選択しよう。
理由は様々だが1番の理由はアーチャーの実力を見たいからである。
「いい?アーチャー」
問いかけるとアーチャーは当然のように頷いた。
アーチャーが抱き上げ跳躍する。
校庭へ降り、アーチャーとランサーは再び睨み合う。
「その感じ、セイバーか?早く出せよ。そのくらいは待ってやる。」
「ああ」
警戒心は無くさないままアーチャーは武器を取り出す。
あれは、剣?
黒と白の二刀の双剣。
それがアーチャーの武器だった。
私の知っている衛宮士郎は弓道部に通っていたし、クラスもアーチャーだ。
切り札は最後にとっておくということだろうか。
色々考察しているとアーチャーはくくっと笑い出した。
「何だてめえ。何がおかしい?」
「いや生前君にはお世話になったものでね、お返しができると思うと嬉しくてな。」
「あ?」
思い当たらないのか少し考えるランサー。当然知らないだろう、彼は未来の英霊なのだから。
「思い当たらねえな。まあ戦えばわかるかもしれねえな。」
「それはどうかね。」
一瞬の静寂、直後二人の姿が消えた。
姿を現した時には既に二人はとてつもない速度で武器と武器を合わせていた。
二人が移動するごと、武器を合わせるごとに暴風が吹き荒れ地面を削っていく。
ドラムロールの如くスピードで打ち合っているがその全てが狙いを定め力を込めた一撃なのだから英霊というものは次元が違う。
そんな二人の戦いは一見互角のように見えるが若干ランサーが押されているようだ。
一度距離を取るため跳躍するがアーチャーはその隙を逃さず剣を投げつけた。
「なっ!?」
驚きの声をあげたのはランサーか私のどちらか、当然だろう。
それが英霊の証である宝具、仮に本当の宝具ではないにしろ戦力低下は免れないのだから。
その驚きは一瞬のものですぐに冷静な表情に戻り槍で払おうとする。
しかし槍が当たることはなく、直前で爆発しランサーを強い衝撃と熱が包み込んだ。
「ぐっ!」
呻きをあげて地面に膝をつく。
服装はところどころ焼けおり、少しだが息も荒い。
すぐに立て直そうとするが、そうはさせまいといつの間に持っていた弓で矢を放つ。
殆どは弾き飛ばしたが、2本はランサーの右肩と左足の太ももに突き刺さる。
危険を察知したのかランサーはその二本を引き抜き距離を取る。
直後、その二つの矢は爆発した。
かなりダメージを負っているランサーに全力で接近する。
だが、途中で危険を感じたのか後ろに後退した。
ランサーの方をを見てみると、真紅の槍に魔翌力を注ぎ込んでいるところだった。
宝具の真名解放だ。
宝具はそれ単体でも強力だが、その本来の力は真名を解放することにある。
勿論、それを行えば、使った側の武器の名前が分かり、そのサーヴァントの名前も分かったしまう。
あれが何かは分からない。
だが明らかにヤバいものだと感じた。
アーチャーもそれはわかってるようで回避行動をしつつ幾つもの武器を発射した。
ランサーはそれを振り払わず後ろへ跳躍し、後退することで躱した。
アーチャーとランサーの間に距離が開く。
「アーチャー、てめえ俺の宝具が何か知って嫌がるな?」
「何が根拠だ?」
「とぼけても無駄だぜ。さっきお前が投げた武器の中に魔翌力を異常に溜めた奴があった。アレには見覚えがあってな、それは俺の槍を破壊するために作られたものだ。」
「流石だ。クーフーリン、そうだ、俺はお前を知っている。と言っても先ほどの武器を作った者では無いがね。」
「当たり前だ。俺が見た奴はお前とは似つかねえし、剣術もお前ほど上手くなかった。マジで何もんだ?」
「それを言うことは出来ない。知りたければ俺に宝具を使わせてみたらどうだ?最も、貴様の宝具で刺し穿つことは射程に入らない俺には出来ないのだからそれは無理な問題のようだ」
「はっ、そうだな。ダメージの所為で頭の機能が減っちまったのかもな...俺の宝具が指し穿つことしか出来なかったらな。」
「....」
「行くぜ、この一撃、手向けとして受け取れ。突き穿つ死翔の槍(ゲイボルク)!!」
「アーチャー!!」
嫌だこんな所で死んでほしくない。
その願いが届いたのかアーチャーは一瞬笑った。
「I am the bore of my sword (体は剣で出来ている) ローアイアス(熾天覆う七つの円環)!!」
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