65: ◆sh9LE6ZD.AZt[saga]
2018/03/17(土) 23:45:58.42 ID:HbSGyvkk0
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周囲は暗い。
外は陽が差し込まない曇り空のような景色が広がっている。
此処は屋敷にある君の書斎そのものだった。
「…様……領主様」
「む?」
「ようやく反応しましたね。領主様」
「ルチア。どうして僕は此処に?」
「この期に及んで寝ぼけた事を仰るとは……少々自覚が足らないのではありませんか」
「うっ、すまない」
「変な領主様ですね。何時もなら『呆けているのはルチアだろう?』と軽口を叩くのに」
「誰がそんな事……」
「もしや私に遠慮を?」
「そういう訳じゃない」
「……どうして私だけを呼んだんですか」
「誰が? いつ?」
「領主様が昨日の夕方に」
「……」
ルチアは用があって呼ばれたと言っている。
……僕は何を言いつけようとしていたんだろうか。
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