204: ◆sh9LE6ZD.AZt[saga]
2018/03/26(月) 22:23:08.32 ID:qDZwSOvD0
君は思わず目を擦って二度見した。
ついさっきまで気配が無かったというのに――
目の前に覆面をしている男が立っているではないか。
「ようこそ」
「ど、どうも」
「この気配は……前と同じか」
「お宅は何を言うとるんや」
「ついて来い」
「ちょっ」
「あの」
「…何だ?」
「埃塗れで汚い部屋に案内するのは、出来れば止めて頂きたいのですが」
「……解った」
「ありがとうございます」
「………」 (まぁ、僕もアレが良いとは思わないけどさ……)
どんな意図があって、彼はあの部屋に招いたのか未だに解らなかった。
僕はあの場所で重要な物を見つけていないからだ。
恐らく、もうあの部屋には二度と入る事が無いかもしれない。
……なんとなくそんな気がした。
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