9: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/03/01(木) 02:02:27.92 ID:oJjJsh0zo
そう結論したP氏は無意識に体を揺らしながらベッドの上よりずり落ちた。
なるべく腰を庇いながら玄関までの匍匐前進。
辛い。脂汗が彼の額を流れ落ちる。
だが先ほどからゴキゲンなビートを刻む騒音馬鹿に罵声の一つも浴びせてやらねばP氏の気持ちは収まらぬ。
否、罵声を浴びせるという行為を前進の為の糧として、ススメ! P氏。
靴箱に手をかけ立ち上がれ! 怒りに震えるその拳を、
空気の読めないアホンダラの顔面に思い切りお見舞いしてやるのだ!!
「はい、どちらさんで?」
怒りを押し殺した声音。左手で扉を開けると同時にP氏は右の拳を握りしめた。
今、どんな高慢ちきの鼻っ柱さえへし折る五本のツワモノが合体する。
人呼んで彼らはオユビレンジャー。
後はその場の勢いに任せて相手を殴りつけてやるだけである――が、振りかぶられたその拳は、
アホンダラ怪人の頬をぶつことなく緩やかに開かれ解散した。
なぜならそこに立っていたのは、チャイムを鳴らし続けていたアホンダラ怪人の正体は。
「あ、やっと出て来たプロデューサー! もぉ、もぉ、もぉ! 部屋で倒れてるのかと思ったよ〜!」
ほんの数時間前にP氏が階段で受け止めた少女、高坂海美だったのである。
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