未来を置き去りにしてバイトをする
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133:名無しNIPPER[saga]
2018/07/10(火) 02:42:23.52 ID:NAcE1XbF0
深呼吸をして,落ち着きを取り戻そうとする.

とりあえず,スピーカーの向こうにいる相手から事情を聞き出したい.このむしゃくしゃが収まるなら,今は熱くなってしまった頭を冷却しようじゃないか.

「それで,僕を実験に使ったわけだけど,結果は上手くいかなかったみたいだね」

皮肉っぽくなってしまったのは.僕が人間である証だ.

「弱い頭ね.要は反復と修正が大切なの.これは失敗だけれど,次につながる失敗なんだから.ピンぼけした焦点が徐々に合うように,会話の精度も高まって

いる.もしかしたら,世界で初めて彼女は独立したアンドロイドになれるかもしれないんだから」

「???」

「あんたの表情を見る限り同情するくらい,すっからかんなのね・・・一般常識の範疇なんだけれど,男仁はどこから,こんな天然記念物を連れてこれるのか

しら.電気も通ってないような山奥?それとも例のロボットとの接触を禁じられた宗教団体の一味?」

「・・・さぁ?」それらを一般常識だと思っている彼女の方こそ,乖離した環境にあるとは思ったが,口には出さなかった.

「ま.あんたのことなんてどうでもいいわ.とにかく私は自分の家を見知らぬ人間にうろうろされたくないの.そこで待ってなさい」

スピーカの向こうの相手はぴしゃりと会話を打ち切った.

「待ってくれ,まだ聞きたいことはあるんだ」

「今度でいいわよね」

「これが最後だ.そうすれば,僕は借りてきた猫みたく大人しく待っていると約束する」

「私だったら,そのこぶし大の脳味噌を,にゃーとしか言わないAIと置き換えるんだけど?」

「それが君の目指すAIならそうすればいい.犬井さんなら似合いそうなものだ,名前は合ってないけれど」

「・・・私への侮辱もそうだけれど,今度,TAKEKOを馬鹿にしたら,絞め殺すわ」

彼女は低く唸るように宣言する.

ラーメン屋のアイツ然り,科学者というのは,被創造物を嘲笑されることに耐えられないらしい.それは被創造物が,自身の弱い部分を表したものだからかもしれない.

ナイスバディで,人懐っこい犬井さんは,あるいは….今はよそう.


さて,なにについて尋ねようか.

1,スピーカの向こうの相手の名前

2.犬井さんについて

3,『独立したアンドロイド』について

直下のコンマ00〜80で1,2,3全てを行います.
81〜90で1,2を行います.
91〜99で1のみを行います.


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