星梨花「試されている迷路の中」
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2: ◆W56PhqhW.M
2018/02/26(月) 14:17:27.70 ID:l4IqRebF0
「話にならないわ!」

 志保さんがそう叫ぶとレッスン室は静寂に包まれました。今日はクレシェンドブルーの全体練習日、でもレッスン開始からギクシャクとした空気は拭えず、動きはバラバラ、まるでそれぞれが別の曲を踊っているかのようでした。

「あなたたち、ちゃんとやる気はあるの!? レッスンの時間は少ない、その少ない時間すらお喋りや団らんにばかり。私たちはプロなのよ!? 学校の部活動気分でいられると困るの!!」

 志保さんの言っていることは何も間違っていません。私の門限のせいでみんなの練習時間は六時まで。どんなに区切りが悪くても、その時間が来たらパタリと練習を打ち上げます。練習終了と同時に、志保さんが私の方を鋭く見つめているのも知っています。気づいていないふりをしていますが。


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