55:名無しNIPPER[saga]
2018/04/28(土) 23:55:09.54 ID:3XdL3co70
佳奈多「まさか……」
鈴「ち、違う……!」
理樹(ふと最悪の場合が頭をよぎったが、鈴の表情からしてそれはなさそうだ。しかし、何も言わなくても鈴が問いの意味を理解出来たようにゆっくり歩いて来るあの集団は間違いなく病院の関係者だ。僕の妄想ではなく)
恭介「走れ理樹!!」
理樹(恭介の怒声が後ろから轟き、思わず椅子から飛び上がった)
理樹「行こう鈴!」
鈴「理樹!?」
理樹(僕は鈴の手を握って無理やり引っ張り出した)
職員「行ったぞ!追え!」
真人「ここは任せて先に行け!」
謙吾「馬鹿言うな!」
理樹「はっ…はは!」
鈴「な、なァー!?」
理樹(遠くから追って来る人達を尻目に一気に駆け出した)
鈴「ちょっと待て!どこ行く気だ!」
佳奈多「……ふふっ」
……………………………
理樹(エスカレーターを何度も乗り換え、とうとう追っ手を巻いた。そして最後にゆっくり話すため、エレベーターでここを出る時のことだった)
理樹「はぁっ…はぁっ……」
鈴「……くっくっくっ……」
理樹「鈴?」
理樹(鈴が笑ったのだ。よく考えてみると鈴のこんな笑顔は例の事件以来のことだった)
鈴「久しぶりだ。こうやって走ったの」
理樹(そう、確かにそうだ。ずっとずっと昔から、本当に小さい頃からこんな風に僕らは走っていたんだ)
理樹「鈴……今までごめん。ちょっと…どうにかしてた」
理樹(もっと謝るべき言葉はあったが、鈴を前にすると頭が真っ白になってこれしか思い浮かばなかった)
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