5:名無しNIPPER
2018/02/19(月) 01:29:02.64 ID:0stnYipM0
「終わった……!」
魂を吐き出すようにそう言って、提督は筆を置いた。
その机の上には、朝あった書類は無く、綺麗に片付いていた。
「加賀、すまなかったな。お前のおかげで早く終わった」
「いえ。それよりもレストランはまだ営業しているでしょうか」
「んっ……? ああ……。だが、少し時間が厳しいか」
「構いません。行きましょう」
加賀はそう言って、イスにもたれ掛かって天井を仰ぎ見る提督の手を取った。
「何だ。そんなに行きたいのか? 分かった。車を出そう」
そう言って、提督も立ち上がる。
「しかし加賀、そんなにレストランで食べたいのか?」
「……提督」
「何だ?」
加賀はそっと提督の手を握って、身を寄せる。
普段のクールな態度と違う加賀に、提督は思わず足を止める。
「提督が一緒だから、意味があるんですよ?」
「そう、か……。なら、急いでいかないと、な」
全く表情を崩さない二人だが、少しだけ二人とも頬を染めて歩き出した。
「んっ? 雪か?」
「綺麗、ですね」
「ああ。そうだな」
「……少し寒いですね。もう少し寄っても?」
「構わない……。ほら」
ぴったりと腕を組んで、二人は夜の闇に消えて行った。
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