緒方智絵里「らびっとぱにっく」
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39: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/02/16(金) 01:47:50.15 ID:oMgPCNNI0

 もふぁぁぁあっ、と衝撃でピラミッドが形を崩していく。

 その中心でノビているのは、驚くほど小柄で幼い女の子だった。

 胸には、一冊のスケッチブックを大事そうに抱えていて……。



「――おーい。もしもーし。生きてるかー?」
「ん……ぅ……ぁう……」
「お、起きてくださいっ。お話を、しましょう……っ」

 何度目かの呼びかけでその子は目覚めた。
 ふんわりしたショートヘアに泣きぼくろが特徴的な、優しそうな少女。

 彼女は俺達の顔を順に見比べて、両手両足で一気に後ずさった。

「ごっごめっ、ごめんなさいっ! わた、わたしそんなつもりじゃ……っ!!」

 そうか。
 こういう反応をしたってことは、やっぱり心当たりがあるわけだな。

「落ち着いて。何も君を捕まえに来たわけじゃない」
「で、でも、でもっわたしっ、こんなこと……」

 泣きそうだ。……参ったなぁ。
 けど、わかったことがある。
 この事態の原因がこの子だとして、彼女はそれをひどく不本意に思っている。
 つまり何かの過失になるわけだが……。



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