ロールシャッハ「嵐を呼ぶ、救いのヒーローたち」
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274:名無しNIPPER[saga]
2018/02/25(日) 00:41:09.61 ID:LP5lnj2b0
日誌 ロールシャッハ記
2000年7月1日
電子生命体“ぶりぶりざえもん”の奪還と、その送信は終わった。
これで、東ゴルドーの報復装置は破壊できる――まだ核は落ちていない。
カスカベの混乱は去った。
俺が来たときのように、すでに奇妙な住人たちが活気づいている……
俺のことすらも忘れているかのように。
つくづく奇妙なのは、この街はやはりあの映画館と同様に、
時間の流れから取り残されていると思えることだ。
八秒後も、八世紀後も同じく動いているかもしれない。
ほんの子供がその一瞬に、なんども世界を救うように。
Dr.マンハッタンがこの街を見たら、なんと言うのだろうか。
しかし、ここが終末に最も遠い街であることは間違いない……
カスカベはもはや俺を必要としていない。
――――ここを発とう。
終末は核だけによりもたらされるわけではない。
蟻どもは依然として健在だ。無論、それだけでもない。
この身が砕け散るまで、
…………俺が、俺の救えなかったニューヨークの魂と同じく、
廃墟の街の一部となるまで、俺には闘い続ける義務がある。
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