ロールシャッハ「嵐を呼ぶ、救いのヒーローたち」
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192:名無しNIPPER[saga]
2018/02/23(金) 23:55:29.80 ID:Lz8qDcvo0


“――――”

“――――ダニエル”


“この街のどこかで、お前ともう一度逢えるだろうか”

“お前がヒーローとなったわけを、俺も少しだけ実感できたようだ”


“俺の父と母”

“ブラウン管とコミック・ブック”

“そして俺のそばに、誰か、ヒーローがいてくれたなら、俺は俺でなかっただろうか”


“いや――”

“それでもお前と、肩を並べただろう”


“叶うならば伝えたい”

“たとえそれが幻でも”


中庭の中心、ヘンダー君が立っている。
手に、犬の鎖を持っている。四つんばいの人形が繋がれている。

ヘンダー「ヘンだ、ヘンだよ、ヘンダーランド」

人形がこちらを向く。

その人形は、顔の砕けたシルビアだ。

ヘンダー「ウソだと、思うなら」「ちょいと」「おいで」「おいで」


人形は――少女の靴を引っかけた骨をくわえている。

それを見つめる無数の人形たちが、今なおささやき合っている。



“だが、もう俺はウォルターじゃない”

“足跡を消すことはできない”

“新たに歩くこともできない”

“そのどちらも、今の俺は望まない”


“俺は――――”



“俺は、ロールシャッハだからだ”



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