椎名法子「バレンタインとドーナツと」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/15(木) 02:25:31.85 ID:ow5QBSDq0
 実際、事務所に着いてからはさながら露天商のようで、帰るころに残っていたのはひとつふたつといった具合である。
周囲は一日笑顔と感謝の言葉に溢れていて大満足の面持ちで帰路についた法子であったが、胸中には僅かな心残りがあった。
その日は急な仕事によって彼女のプロデューサーは事務所を訪れなかった。
そのため彼にだけドーナツを渡すことが出来なかったのである。


 家に帰ってからもなぜだかそればかりが妙に気になって、そうしてなかなかに寝つけぬまま夜が明けようとしていた。



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