17: ◆XUWJiU1Fxs
2018/02/09(金) 02:07:45.12 ID:vkN8lClMo
あいさんがおごってくれたコーヒー(勿論甘いやつ)を飲みながらこれまでの経緯を話します。背伸びしてオトナになろうとしても苦い結果ばかりだったこと、このままじゃ次のお仕事もうまくいくか不安だということ。あいさんは私の馬鹿げた失敗も笑うことなく真摯な瞳で向き合ってくれました。
「ということで、中々オトナになれないんです」
「なるほどね。背伸びしたくなるお年頃、ってところか。ふふっ、懐かしいな。私にもそんな時期はあったんだ」
「そうだったんですか? なんだか意外かも」
「そう昔のことじゃないよ。これでも23歳、美穂くんが小学1年生の時の6年生さんだしね。我ながら阿呆な事をした時もあったさ」
コーヒーを飲む姿ひとつとっても洗練されて大人びている、そんな彼女にも私のような時期があったのかな。
「少しでも早く大人のステージに立ちたいと思ってあれやこれやと試行錯誤してみたり。苦い思い出も多いけど、それはそれで悪いことじゃない。苦味が甘味を引き立てる。人生においても同じ事が言えるんじゃないかな」
「人生……」
「だから今は、もっと遊んでいいと思う。結論を急ぐにはまだ早い、人生を楽しむことを優先するべきかな」
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