追われてます!'
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82:名無しNIPPER[saga]
2018/04/06(金) 18:26:59.72 ID:LZXIfz580

 そこで、彼に好きな花を訊ねようとした理由を思い出す。
 私個人の花言葉に対する考えは抜きにして、物語の補助道具として花言葉を用いた。
 別にあってもなくても構わない。章の内容と乖離はしていないが、すべて後付けだ。

 まだ書けていない──これから書くつもりでいる──最後の章に付けるに相応しい花。
 前の章を書き終えた時点ではそれを君子蘭にしようと考えていた。
 一番好きな花であるのは勿論、私が大まかにイメージしていた内容にも合致している。

 ただ、ここまでの章に使ってきた花に込めた意味は、どこかで調べれば簡単に出てくるものにしていた。
 となると、君子蘭では少し分かりづらくなってしまう。私が観て感じた意味と調べた意味が違っていたから。

 意味が通る花で、かつ好みのものは出し尽くしてしまった。
 でも意味から逆引きして探すのは白々しいから──だから参考にしようかと訊いたんだった。

「そろそろ戻ろっか」と言うと、未来くんは「ああ」と時計で時間を見ながら頷いた。

 秋桜、紫のアネモネ、四葉のクローバー。
 彼らしいな、と思う。

 ありがとう、と心のなかで呟く。
 眠気覚ましもだけど、彼と話をしていろいろ整理できた。

 今は、続きをはやく描かないと。




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