26: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2018/02/08(木) 23:52:10.81 ID:eKF+OPoOo
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「まあ十中八九の確率で、私は無理だと思いますよ」
律子が同意し、俺もその言葉に頷いた。千早だってそうだ。
だから今回、彼女は落とす方向で合否の話はまとまった。
……それと同時に、今回採用する者も。
これが金のある大手事務所なら、
この後で盛大な合格発表会の一つ開いたりするものなんだろうけど。
貧乏な我が765プロじゃあそれは無い。
今日いた応募者の殆どだってもうとっくに会場から帰してるし、
この時の俺はこの場に残っているのも後片付けのスタッフと
自分たちぐらいのものだと思ってた。そう、思ってたんだ。
だから三人で廊下に出た時に、自販機の近くで談笑する彼女たちの姿を見つけて驚いた。
「プロデューサー、あの子たちは……!」
それは千早も同じだったらしい。
会場管理者との話がある律子は早々にこの場を後にしたが、
後は事務所に戻るだけだった俺と千早はどうしても
彼女たちの前を通らないと出口にも行けない状態で。
「おっ、プロデューサー!」
こちらに気づいて手を振る恵美。
その傍に置かれた休憩用のイスには彼女の他にまだ二人
……いや、三人の少女が座っていた。
「この子たちがさ、プロデューサーに用があるって。
折角仲良くなったから、アタシお喋りしながら待ってたんだ〜」
一人は今回、俺たちの話題に散々出て来た矢吹可奈だった。
もう一人も……そう、こっちも話題の中心だった田中琴葉が座っている。
そして、最後の一人は今日のオーディションじゃ見てない顔。
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