北条加蓮「運命的、あるいは作為的」
1- 20
30: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2018/02/08(木) 02:02:40.49 ID:1k4n5Mtx0


■ 3 



ある日を境に、アタシをアタシとして証明してくれるものが一つ増えた。

これまでは高校生だとか、どこそこの病院の患者だとか、ありふれたものしか持っていなかったが、ちょっとだけ特別感のあるものが一つ増えたのだった。

シンデレラプロダクション所属アイドル、北条加蓮。

それが、アタシの手にした新しい身分だった。

もちろん現時点では世間的な知名度は皆無だし、一般人となんら変わりはないのだけれど、今までの人生で部活のような何かに所属するという経験自体がなかったアタシにとっては、それだけで嬉しくなった。

しかし、すぐにアタシは現実に引き戻されることとなる。

知ってしまったのだ。

ここ、アイドルの世界、芸能界も学校とそう変わりはしないという事実を。

つまり、アイドルになってもアタシの運動能力が向上するわけでもなければ、抜群の歌唱能力が得られるわけでもないのである。

なんていう当然の事実を思い知ったのは、初めてのレッスンのときだった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
55Res/34.59 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice