86:名無しNIPPER[saga]
2018/02/06(火) 02:29:04.16 ID:kLIsZwOI0
「まだ、まだ生きろって言うんか。私はもう長くないのに、天寿を全うしろって言うんか、まぁず」
女性は猫に叫ぶように、縋るように声を絞り出していた。
消防隊員は腕を取った。女性は手をはらった。
「俺は消防隊員だ、お前みたいな被災者を見逃すわけにはいかねぇんだ」
「いや気を悪くしないでくれこの辺に生存者の反応があったのでね」
もう一人の消防隊員が女性をなんとか立たせ、2人で窓へ向かっていった。女性はまだ叫んでいる。
女性を完全に外へ連れ出してから、消防隊員は猫も助けようともう一度木材を見た。
猫はそこにはいなかった。
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