速水奏「夢で逢えたら」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/02(金) 18:19:37.79 ID:tTi/N0cm0
「えっ?」

 動き出すと思われたプロデューサーの肩はそのままストンと落ち、また規則正しい寝息を立て始めた。

「……何よ……もう……」

 大山鳴動、とは言わないまでもすっかり拍子抜けしてしまった。

 何と言うか安心したと同時に落胆している自分がいる。一人で焦って馬鹿みたいだ。

 この男はいつもこうやって私をもてあそぶ。

 こちらの誘いになびきもしないと思えば、予想もしていない所でドキドキさせてきて、こちらの気持ちなんてお構いなしだ。

 まさか寝ながらにしてまで不意を打たれるとは思ってもいなかった。

 それでも――



 ――「か……な……で……」



 ――それでも許してしまうのは、我ながら本当にどうしたものかと思う。

「今度は夢じゃなくて、目を開けて言って頂戴」

 それにしても、何だか疲れた。いや、元から疲れは溜まっていたのだが。

 壁の予定表を見る限り、今日はもう誰も来たりするまい。

 よし。

「夢の中とはいえ――責任は、取ってちょうだいね?」


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