10:名無しNIPPER[sage saga]
2018/02/02(金) 18:23:07.24 ID:tTi/N0cm0
目を覚ますと、向いのソファで自分の担当アイドルがコーヒーを飲んでいた。
「ん? あれ? 速水?」
「おはよう。ばっちり寝てたわね。そのまま目覚めなかったらどうしようかと思ったわ」
「お前なんで……いや、っていうか今何時だ?」
慌てて時計を確認する。結構な時間寝ていた様だ。
「やべっ……仕事たまって……」
「机の書類なら明日でも間に合うそうよ。ちひろさんにラインで確認したわ」
何故か事務所にいる担当アイドルが、何故か担当プロデューサーの残業を把握していた。
一体何がどうなっているのか。
「Pさん、ここの所残業続きなんでしょ? ちひろさんが『早く帰って休んで下さい』だそうよ?」
「いや、何で速水がここに……?」
「忘れ物、取りに来たの。ついでに明日からの予定の確認もね。そしたらPさんが事務所で寝てるじゃない。どうせだからゆっくりして、帰りは送ってもらおうと思って」
「マジかよ……」
ちゃっかりしている。
残業続きで疲れているプロデューサーを労わって早く帰そうという気にはならないのか。ならないのだろう。
「仕方が無い……それじゃ帰るか速水、仕度してくれ」
「そうこなくっちゃ。コーヒー、ご馳走様」
「あ、それ俺の淹れた奴かよ! 勝手に飲んだな!」
「冷めたらどうせ飲まなかったでしょ? 有効活用よ」
「お前、本当に口が達者だよな……」
「あら、口以外にも色々達者よ? 確かめとく?」
「はいはい。また今度な」
相変わらずこの娘は危うい真似を……。いつかきちんと説教してやる。
「ほら、電気消すぞー」
「はーい」
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