バットマン「グランド……オーダー?」 マシュ「その2です」
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◆GmHi5G5d.E
[saga]
2018/11/17(土) 01:15:17.51 ID:fIC7lgGL0
植物園二階から突如響いた爆音に、その場に居た全員の視線が飛んだ。その隙に、倒れていたジャックがまず闇に引きずり込まれた。
「一体……」
ナーサリーが呟き、しまったと口を抑える。詠唱が途切れた。ブラックボックスじみた結界が解除されている。つまり、もう、時間のループは行えない……
その事実に、次いでパラケルススが気付く。今の爆音が何であろうが、チャンスだった。即座に行使された魔法、炎が飛び出しナーサリーを狙う。スケアビーストがそれに追従するかのように飛び掛かる。
が、更なる破壊音が響いた。パラケルススは構わず攻撃を続けようとし……おのれの迂闊を、またしても呪った。破壊されたのは、二階の足場の、片方の留め金。振り子運動に乗り、破城槌じみて、パラケルススへ足場が追突した。
「っぐぅ……!?」
吹き飛び、転がるパラケルスス。スケアビーストが思わず振り返る。その瞬間、さらに闇から腕が伸び、今度はマシュとフランを二人引きずり込んだ。
ナーサリーはハッと後ろを振り返る。闇から歩み出る者があった。それは夜に混じるコウモリのように、瞳だけを光らせ、じわりと染み出すようであった。
「よくやった、ナーサリー」
いかつい見た目に反し、優しい声がかけられる。ナーサリーは安堵と、重圧と、悲しみが一気に胸の中で爆発するのを感じ、大粒の涙を流しながら声を上げる。
「ご、めんなさい、アンデルセンが、アンデルセンが……」
「分かっている。大丈夫だ」
大丈夫ではない。だが、ナーサリーは安心してしまう自分の不甲斐なさに更に涙をこぼす。スケアビーストが振りむき、口から黄色いガスを漏らしながら唸る。
「バァァァァァァァァット、マン……!!」
「待ちかねたか、スケアクロウ。来たのは私だけではない」
バットマンが言い放つのと同時、怒れる闘牛じみた豪快な足音が廊下から響き始める。パラケルススは起き上がりながら、それを見る……全身から殺気を放ち、大股で駆けて来るモードレッドを。
「吹っ飛ばしてやらァ!!」
彼女は叫び、剣を抜き放った。その刀身を赤いスパークが走った。
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