16: ◆tues0FtkhQ[saga]
2018/01/28(日) 13:06:32.54 ID:z2Y7iDdr0
◇
「頼まれてたお守り、買っていきましょうか。あと、自分の分も買っておいてもいいでしょうか?」
「はいっ」
ちひろさん頼まれたもうひとつのお仕事は、社務所に立ち寄って、ひとつだけお守りを買っていくことでした。
たったひとつにみんなの分のご加護を求めるのは、ちょっとケチかもしれませんけど。
神様ごめんなさい、どうぞ大所帯の気持ちも分かってもらえるとありがたいです。
「商売繁盛はどれでしょうかっと」
きょろきょろとお守りを探しているプロデューサーを横目に、私はとっても良いものを見つけました。
こっそりとそれを手に取って、プロデューサーの手のひらに乗せてみます。
「……茄子さん」
笑ったほうがいいのか、呆れたほうがいいのか困ったようなそんな顔で、プロデューサーは咎めてきました。
あら、お気に召しませんでしたか。恋愛成就のお守りですよっ♪
しかも、ちゃっかりお揃いのものを自分の手に確保しておいてあります。
「てへっ♪ ほらほら、茄子なんてどうでしょう?」
ここぞとばかりに攻勢をかけます。
普段どんなにアプローチしたって暖簾に腕押しで、人目のあるところではアイドルだからーって避けちゃうんですから。
たまには真正面から受け取ってもらえないと、茄子がすねますよっ。
「プロデューサーのこと、きっと幸せにしてあげますからっ」
すると、プロデューサーの顔に照れた色が見え始めました。これはもしかして効いてるのかも。
こんなチャンスはまずないですから、何か言わなきゃと思って、思って、その先が思いつきません。
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